復活 山本芳考さんの土鈴 (7)
先々月に続いて山本芳香さんの土鈴(山本芳考さんの型から復元された土鈴)の紹介の7回目です。
これまでの6回は1回目、2回目、 3回目、4回目、 5回目、6回目をご覧ください。
不退寺(ふたいじ)は、奈良市法蓮町にある真言律宗の寺院です。平城天皇萱御所跡に在原業平が開基したと伝り、その由緒から伊勢物語ゆかりの「業平寺」とも呼ばれます。
境内にある多宝塔は宝形造単層の仏堂のようですが、元は二層の多宝塔でした。 明治時代初期に檜皮葺きの上層部が取り払われ、現在は初層のみが残っています。
この土鈴は元の二層の多宝塔をモデルにしているようです。
不退寺で授与されていた山本さんの作品は 平城宮鬼瓦鈴と厄除け角大師鈴があります。
亀石(かめいし)とは、奈良県明日香村川原にある亀の形をした遺構で長さ3.6メートル、幅2.1メートル、高さ1.8メートルの巨大な花崗岩にユーモラスな亀に似た彫刻が彫られていることからこの名前で呼ばれています。
この土鈴飛鳥寺で授与されていたものです。
また、亀さんの土鈴としては他にこのようなものもあります。
ジャガイモのことを馬鈴薯といいますが、その語源となった馬鈴です。
元は馬の首に付ける鈴で、古くは青銅製だったそうです。
この土鈴は飛鳥寺で授与されていたもので、青銅製をイメージする深緑色の仕上げになっています。
飛鳥寺で昭和31年(1956)に行われた発掘調査で塔心礎上にが散乱していた挂甲、蛇行状鉄器、大理石の砥石などに混じって 馬鈴も見つかっていたようです。
吉水神社は後醍醐天皇を祭神とする神社でこの土鈴は後醍醐天皇の太鼓を象っています。
吉水神社で授与されていた山本さんの作品は他に 銅鐸鈴と神鈴があります。
岩船寺の身替り不動明王鈴です。
岩船寺の境内にある石室不動明王から模した鈴です。
元は「身代不動明王御守」と書かれた黒い革袋に入れられて授与されていました。
岩船寺の授与鈴につきましては先々月も鬼鈴を紹介しています。
芳考さんの復元土鈴はまだまだありますので残りはまたの機会にご紹介します。