復活 山本芳考さんの土鈴 (8)
先月に続いて山本芳香さんの土鈴(山本芳考さんの型から復元された土鈴)の紹介の8回目です。
これまでの7回は1回目、2回目、 3回目、4回目、 5回目、6回目、 7回目をご覧ください。
背面に「隅木端鬼面瓦」と彫られている。一般には寺院や宮殿の建物の隅木の末端の上面と両側面及び木口面を被覆する瓦製品で、隅木蓋瓦(すみきふたがわら)と呼ばれているものがある。 その木口面を覆っているところがこの土鈴のモデルと思われます。
具体的にこの土鈴のモデルは不明ですが新堂廃寺出土の鬼面文隅木蓋瓦(7世紀後半・大阪府誉田八幡宮蔵・写真下)のデザインが良く似ています。
誉田八幡宮にも似た土鈴(写真左)があるが、背面には「誉田八幡宮」と彫られているので芳考さんのものとは別物かと思われます。
背面に「雷神 談山神社」と陽刻されている。
雷神というから飛鳥の雷丘(いかづちのおか)と何か関係があるかと思って調べましたがこの土鈴とは無関係なようです。
談山神社では雷神は十三重の塔の守り神とされているそうです。
岩船寺の天邪鬼土鈴です。別型があったり芳考さん以外も似たような土鈴を作っていたり、中古市場でもよくお目にかかる土鈴です。
三重塔の隅垂木を支える木彫の天邪鬼がモデルです。
岩船寺の授与鈴につきましては他にも鬼鈴、身替り不動明王鈴を紹介しています。
橘寺境内に飛鳥石造物で右善面、左悪面と呼ばれる二面石があり、人の心を表しているといわれています。
無垢な顔つきの善面と、大きくゆがめられた悪面の対比が目を引きます。
この石はおそらく吉備姫王墓内にある猿石と同じ場所にあったものが現在の橘寺境内に運ばれたのではないかと想像されています。
芳考さんの復元土鈴はまだまだありますので残りは次の機会ご紹介します。