復活 山本芳考さんの土鈴 (3)
山本芳考さんの型から復元された土鈴の紹介の3回目です。
浄瑠璃寺の住所は今は木津川市になっていますが以前の住所は相楽郡加茂町大字西小小字札場、 京都のお寺というより大和の古寺というのが実態です。
池を中心とした浄土式庭園をはさんで西に9体の阿弥陀如来像を安置する平安末期の本堂、東に三重塔が印象的なお寺です。 お彼岸の中日には三重塔の真後ろから太陽が昇り、本堂の真後ろに沈むそうです。
大和の古寺ということで、芳考さんもこの土鈴を作ったのでしょうね。モデルは本堂屋根の鬼瓦と思われます。
浄瑠璃寺では吉祥天が手に持った宝珠から宝珠鈴も授与されていました。
談山神社の土鈴は十三重の塔土鈴、蹴鞠土鈴、狛犬土鈴等がありますが、 この獅子頭鈴は重量感があり貫録のある土鈴です。
獅子頭鈴は先月も般若寺のものをご紹介しました。全体的な雰囲気は似ていますが、こちらの方が大きい分、細部にもこだわり、 例えば鈴口だけでなく口の部分も開口しています。
談山神社には運慶作と伝えられている木造狛犬(獅子)があります。この土鈴のモデルはその木造狛犬(獅子)の頭部かと思われます。
室生寺の火焔宝珠鈴です。
モデルとなった火焔宝珠の画像は手に入りませんでしたが、以下の御朱印・如意宝珠に押されている印に形が似ています。
山本さんの室生寺の作品には宝珠鈴もあります。
3種類の申鈴です。来年の干支に合わせて復元していただきました。
山本さんの作品としては比較的珍しいものだと思います。
猿石(さるいし)と呼ばれる奇石は吉備姫皇女王墓内にある四体と高取城への登山道の途中にある一体が知られています。
この土鈴は、その形から高取城への登山道の途中にあるものと思われます。
元は飛鳥寺で授与されていたものです。
山本さんの作品で飛鳥寺で授与されていたものには、この猿石鈴の他に飛鳥大仏鈴、古瓦鈴、 鴟尾鈴、馬鈴、亀石鈴、二面石鈴がありました。
芳考さんの復元土鈴はまだまだありますので残りはまたの機会にご紹介します。