復活 山本芳考さんの土鈴 (5)
山本芳香さんの土鈴(山本芳考さんの型から復元された土鈴)の紹介の5回目です。
これまでの4回は1回目、2回目、 3回目、4回目をご覧ください。
葡萄唐草模様の円形の土鈴です。
一見すると香合のような雰囲気があります。
彩色は復元においてオリジナルで付けられたものです。
飛鳥寺古瓦鈴に彩色したものです。
複弁蓮華文のたるき先瓦がモデルです。
「たるき」は木偏に垂と書きますがフォントがない場合もありますのでひらがな書きにしました。。
石光寺(せっこうじ)は、奈良県葛城市にある浄土宗の古寺で、中将姫伝説ゆかりの寺院です。 境内には中将姫が蓮糸曼荼羅を織成する際に蓮糸を染めたという井戸「染めの井」と、糸を干したという「糸掛桜」があり、「染寺」と通称されています。
石光寺境内には多宝塔は現存しません。(境内には飛鳥時代後期といわれる塔の心礎が残されていますが。)
この土鈴のモデルは境内から出土した舟型せん仏とされています。
長谷寺(はせでら)は、奈良県桜井市初瀬にある真言宗豊山派総本山のお寺で、日本でも有数の観音霊場として知られています。
「大和 長谷寺」と書かれ、宝珠のようなデザインです。
壺坂寺は山本さんの地元の奈良県高市郡高取町にある真言宗豊山派の寺院で、正式名称は壺阪山南法華寺。鳳凰せん(鳳凰文甎・ほうおうもんせん)は重要文化財に指定されています。
「せん」は型に粘土を押し付けて形作り、それを焼いたものです。土鈴の作り方と似ています。おそらく壺坂寺の壁を飾っていたものでしょう。
元々黒っぽい単色ですが、復元にあたって彩色されました。
(「せん」は土偏に専です。表示できない場合がありますのでひらがな書きしています。)
同じ山本さん作の岡寺の天人せん仏鈴と対になるものです。
芳考さんの復元土鈴はまだまだありますので残りは次月ご紹介します。