東大寺二月堂の「お水取り」(修二会・しゅにえ)は、天平勝宝4年(752)、東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟、実忠和尚(じっちゅうかしょう)が創始された。以来、今年で1264回を数えます。

行中の3月12日深夜(13日の午前1時半頃)には、「お水取り」といって、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。 また、この行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして、夜毎、大きな松明(たいまつ)に火がともされる。このため「修二会」は「お水取り」・「お松明」とも呼ばれるようになりました。

松明土鈴と瓜灯籠土鈴

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「水取りや籠りの僧の沓の音」松尾芭蕉「野ざらし紀行」より。ただ、芭蕉の句では「籠りの僧」ではなく「氷の僧」となっている。

 

「氷の僧」という方が氷るような夜の静寂さと、高く響きわたる沓の音の対比が際立って感じられると思います。


瓜灯籠・東大寺二月堂回廊にかかる燈籠をモチーフにこしらえた土鈴です。

 

沓(くつ)土鈴

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前述の「沓の音」の沓ですが、練行衆が法行中にはく差懸(さしかけ)という歯のない下駄です。写真右が実物の写真です。

 


写真左の土鈴は桝井宗洋さん作

糊こぼし(椿)土鈴と柿土鈴

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「のりこぼし(糊こぼし)」とは東大寺開山堂の南側、基壇のすぐきわに植えられた椿(つばき)の木のことをいいます。

お水取りに使われる造花の椿を作る時に糊をこぼしてしまったかのような斑点があるので「糊こぼし」呼ばれます。


柿土鈴は「柿食えば・・・」で法隆寺のものが有名ですが、二月堂にもあったのです。

若狭井の鵜と青衣女人 ・ 貝合わせ土鈴

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鵜瓦

 

若狭井の故事に登場する「白と黒の二羽の鵜」と過去帳奉読に現れる「青い衣の女人」を取り上げました。

その場面を貝合わせになぞらえて貝型の土鈴に描いています。


海老天たまこ作 2015年2月


写真上は閼伽井屋(若狭井)屋根の鵜瓦です。

続きはこちらもご覧ください。 お水取りに用いられる大導師鈴(だいどうしれい)と牛玉櫃(ごおうひつ) の土鈴を紹介しています。

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