「落語の土鈴」も 1番目~3番目4番目~6番目7番目~11番目12番目~15番目16番目~20番目21番目~26番目27番目~28番目と番外の2つ29番目~32番目33番目~35番目と紹介してきました。今月はその続きで36番目~38番目の3種類を紹介します。

今月も宜しくお付き合いをお願い致します。

落語土鈴 くっしゃみ講釈

くっしゃみ講釈

海老天たまこ作

上方落語の「くっしゃみ講釈」を土鈴にしました。

「ムムッ、案にたがわず犬糞、犬糞。」と犬糞を踏んだ雪駄を講釈師・後藤一山になすりつけられて、おまけに彼女にも逃げられた喜六が仕返しをするお話。

そこで胡椒の粉を火鉢で燻べたら、エグイくっしゃみが出て講釈ができなくなるという。 生憎胡椒は品切れで代わりに唐辛子の粉を燻べたけれど、効果はバッチリ、煙が講釈師の鼻に入るとくしゃみが止まらない。

喜六と友人で参謀格の清八は、さぁ、仕返しのチャンスとばかりに散々けなすと

一山先生「あいや、そこのお二人さん、他のお客様方はみな気の毒じゃと言うて 帰ってくれるのに、あなたがたは、なんぞ私に故障でもあるのですか。」

喜六 「胡椒がないからトン辛子の粉燻べたんや。」

火鉢から唐辛子をで燻べた煙がユラユラと立ち上って一山先生の鼻に入っていく雰囲気、見ているだけでこちらもクッシャミが出そうになりませんか。

落語土鈴 皿屋敷

皿屋敷

海老天たまこ作

上方落語の「皿屋敷」を題材にした土鈴です。

姫路の車屋敷の井戸からお菊さんの幽霊が出て、皿の数を数えると聞き、みんなで行こうとします。 ただし皿の数で九枚という声を聞くと、ガタガタ震え出して死んでしまうというので、七枚ぐらいで帰ることにした。

車屋敷で井戸を囲み、今か今かと待っていると、お菊さんが出てきて皿の数を読みだし、七枚で逃げて帰ってくると、何ともない。 もとよりお菊さんはなかなかのべっぴんさん。リピータや遠方からの見物人もどんどん増えてきます。

ある日のこと、今日も大勢の見物人が詰めかけて、今か今かと待っていると、お菊さん、ズッ~と出てまいります。ちょっと声が悪いと思うと、風邪をひいているということ。 さて、皿の数を数え始めますが、七枚・九枚を超えて、とうとう十八枚まで読んでしまいます。見物の一人が文句を言うと、

お菊さん「最前も言ぃましたよぉに風邪ひぃてまっしゃろがな、今日、二日分読んどいてな、明日の晩はお休みしますの。」

観衆がお菊さんを見上げる表情もカワイイですね。

落語土鈴 つる

つる

海老天たまこ作

上方落語の「つる」を題材にした土鈴です。

名前の由来というのは実に興味のあるもので、その薀蓄だけでお話が出来上がります。今回は鳥の鶴がどうして「つる」と呼ばれるようになったかという話題です。

昔、鶴は「つる」と呼ばれずに「首長鳥」と呼ばれていました。

ある日、ひとりの老人が浜辺へ立って遥かな沖合いをば眺めてござった。その時、唐土(もろこし)の彼方から、まずこの首長鳥のオンとおぼしきものが一羽「ツ~~ッ」と飛んで来て、浜辺の松へ「ポイ」と止まった。

あとへさして、この首長鳥のメンとおぼしきものが「ル~~ッ」と来て、これも浜辺の松の木へ「ポイ」と止まった。これを見ていた老人が、あぁ、これは首長鳥じゃと思ぉていたが、「ツル」じゃなということになった。

この由来を教えてもらった男、早速友達の所に行って、知ったかぶりをしようとしたのだが・・・・・

首長鳥の首は土鈴の紐です。


本日はここまで、お後がよろしいようで。
落語土鈴は現在38種類(鷺取り、池田の猪買い、蛸芝居、鬼の面、高津の富、猫の災難、首提灯、牛ほめ、蛇含草、死神、 猫の災難、猫の忠信、天神山、あたま山、看板のピン、馬の田楽、時うどん、蔵丁稚、寿限無、饅頭怖い、鼻ねじ、犬の目、 七度狐、始末の極意、不動坊、目薬、住吉駕籠、猿後家、いたりきたり、狸賽、動物園、天狗裁き、べかこ、ろくろ首、京の茶漬け、 くっしゃみ講釈、皿屋敷、つる)です。お気に入りの演目は有りましたでしょうか? これからも種類を増やしていきます。「こんなのが欲しい。」、「この演目が好き!」、その他ご意見ご感想等がありましたらメールまたは掲示板への書き込みにてご連絡下さい。

落語土鈴シリーズはまだまだ続く予定です。また、新作ができましたらご案内します。

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