9月の金鵄土鈴、10月の駒つなぎ土鈴に続いて、大和国中の土鈴シリーズです。今月は、藤原京軒丸瓦土鈴をご紹介します。
西暦694年、飛鳥の地から、わが国初の都市計画された本格的な都「藤原京」に遷都が行われました。飛鳥の諸宮の発掘調査では瓦は見られなく、藤原京の時代になってはじめて宮殿に瓦が葺かれたと考えられています。
軒丸瓦は鐙瓦、花瓦、巴瓦とも呼ばれています。形状は丸瓦の一端に、ほぼ直角に円盤状の装飾文様が取り付けられているもので、軒平瓦と交互に葺かれて軒先を装飾します。この藤原京の軒丸瓦は複弁八弁蓮華文。中房は大きく、種子が中央の1個を中心に二重にめぐっているのが特徴で、外区内縁には連珠文、外縁には鋸歯文が巡っています。
尚、藤原京は持統、文武、元明の三代十六年間限りで平城京(奈良)へ移ってしまいました。