今月紹介するのは我家から一番近いお寺、大安寺です。
大安寺の創立は聖徳太子の時代に遡り、平城遷都とともに平城京左京六条三坊に伽藍を営み、奈良時代での南都七大寺の一つとして壮観を極めた大寺でした。名前の意味は「天下大平万民安楽」から採られたそうです。
もし、奈良時代にタイムスリップすれば我家から、東西の塔を仰ぎ見ることができ壮観だったでしょう。しかし、残念ながら七大寺の中では最も知名度が低く、その名前すら知らない人が多いようです。自宅の地理を説明するときに「大安寺の近くです。」といっても「???」。
天理教の教会?っていう雰囲気だった黒い門も立派な山門に生まれ変わり、伽藍も徐々に整備されてきました。それより天平時代の仏様に会えるというのが嬉しいお寺です。
古代瓦土鈴 南都七大寺のシリーズ土鈴の一つ 授与鈴ではありません。 |
土鈴のモデル 発掘された本物です。 |
朱印 三論學山 虚空蔵尊 大安寺 |
平城宮の鬼瓦 瓦に関連してこちらは平城宮の鬼瓦です 鳳凰の模様があります。 |
平城宮鬼瓦土鈴 模様は違いますが土鈴になると こんな感じです。 |
ところで何故、6月の土鈴が大安寺かと言えば6月23日が竹供養の日だからです。「癌封じ」に効能があると言う笹酒が振るまわれることで有名です。笹酒と言うのは、切った竹の中に酒を入れ、これを火であぶっった燗酒です。
笹酒のいわれは第49代光仁天皇が不遇な白壁王時代に、しばしば大安寺の竹林にて浄竹を伐り、酒を注いでお召しになり、無病息災を保たれ、実に六十二歳という当時としては破格の高齢で帝位につかれ、七十三歳まで在位されたという寺伝に基づきます。この帝にあやかって悪病難病を封じ、健康に過ごそうと催されるのが笹酒祭りです。