9月の金鵄土鈴に続いて、大和国中の土鈴シリーズです。今月は、今井町の駒つなぎ鈴をご紹介します。
駒つなぎとは江戸時代の大名貸や蔵元、掛屋などの家に付けられていた金具で、借銭に来た武士が馬をつないだものです。
環の金具の大きさは、その家の身分の高さを示していて、今井町では今西家の物が最大です。普通の商家では、牛をつなぐ為のものだけがあります。駒つなぎが低い位置に付けられているのに対して牛用のは高い位置にあるので簡単に見分けられます。
駒つなぎ土鈴 桝井宗洋さん作 大和国中土鈴シリーズ |
今西家の駒つなぎ 今井町を代表する民家、今西家 駒つなぎも立派です。 |
「大和の金は今井に7分」といわれたほど商業の町として繁栄した今井町です。今も重要文化財民家8戸を含めて、約800戸のうち8割近くの民家が江戸時代の様式を保ち、近世の町並を整然と残しています。連子(れんじ)や出格子、そして、この駒つなぎなどに繁栄の面影を見ることができます。
豊田家の駒つなぎ |
豊田家の駒つなぎ 割と低い位置に付いています。 |
下水のマンホールにも 町を象徴するデザインということですネ。 |
八ツ棟造り民家土鈴 |
今西家土鈴 |
今西家(重文は代々惣年寄役をつとめた家柄にふさわしく、八ツ棟造りともいわれる複雑に入り組んだ入母屋造りです。雰囲気は民家というよりお城っていう感じです。 |