桜だけではない
吉野山の土鈴
4月といえば桜、吉野山といえば桜、桜の土鈴も色々ありますが。
今回は桜以外の土鈴達をご紹介します。
蛙子佛性_吉野金峰山寺蔵王堂の蛙飛び行事、八百余年前。大峰入峰の行者中極悪非道な男が「法力河童」と罵って身自から蛙と化し 竹林院の老僧に救われたという面白い法話、七月七日夜の此の行事は朝日新聞の「東西カメラ問答」によって一躍有名となった。 この蛙鈴は「ヒキカエル」と云って商売繁盛と商人にはたいへん喜ばれて居る。
御朱印 蔵王堂
島田忠夫氏作 花うち霞む吉野よりまかりいでたる雨がはづ
むなしき腹に玉ふくむゆへしば斯く鳴き申す
上記は写真右側の土鈴の説明書です。銅の鳥居前にあった太田櫻花堂の土鈴由来記より
当時の価格で紙箱入り二十銭でした。
画像左側は最近の授与鈴です。
吉野静面
義経に別れた静は尽きせぬ名残に引かされ乍ら伴に扶けられて山を降っていったがまもなく供は金銀を奪って逃げたので 一蓋の菅笠、一本の杖をたよりに雪の山路に迷っておったのを山僧に捕らえられて勝手神社の社前にて 「みよしのの峰の白雪ふみわけて入りにし人のあとぞ恋いしき」と悲恋純情なる妙舞を舞ふたのであった。
夜叉面(般若面)
義経と別れた夜、静は勝手神社の社前にて舞を奏した、その後、同神社で毎年例祭に静の能舞がある。 その際、静に扮した人に配して般若面を冠った人が出る事になって居る。静能面、般若面は多数の能面と共に勝手神社の宝蔵にあります。
以上もかえる跳びと同様に太田櫻花堂の土鈴由来記の説明です。
これらは当時の価格で紙箱入り三十銭でした。
南朝皇居・吉水神社の陣太鼓土鈴です。
後醍醐天皇縁の太鼓です。
写真右が山本芳考さん作、左と中央が同じ型を引き継いだ山本芳香さんの作品です。
この土鈴が昭和のものに比べ、下の土鈴は世界遺産登録後の令和時代の土鈴です。
吉水神社には庭の北側にスーパーパワースポットの北闕門(ほっけつもん)があります。邪気が祓われるようで、太鼓の横に「邪気祓」と書かれています。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」の九字の呪文は九字護身法(くじごしんぼう)という除災戦勝等を祈るものです。
御朱印 吉水神社
以前吉野に住まわれていた桝井宗洋さん(~2017.6.17)も吉野をテーマに色々の土鈴を作られました。
その中から、西行庵、行燈、如意輪寺の兜
西行さんはたくさんの桜の歌を作っています。中でも辞世の歌、 『願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ』は有名です。
「大和の土鈴」でも桝井さんの土鈴は数多く紹介しています。なかでも「万葉の花」土鈴シリーズ好きな土鈴です。
定番の歌舞伎演目「義経千本櫻」・「狐忠信」に登場するアイテム・初音の鼓の土鈴2種です。
また佐藤忠信に変身する狐忠信も初音の鼓を咥えています(海老天たまこ作)
桜以外の土鈴を紹介しましたが、やはり吉野で賑わうのは桜の季節ですね。そこで、ヘッダーの土鈴は吉野の桜土鈴です。
フッターの土鈴は吉野ではないですが日本土鈴館のものと海老天たまこ作の桜土鈴ですです。
尚、吉野の桜土鈴はこちらでも紹介しています。