花土鈴 桝井宗洋作
2月、寒さもピークの季節です。早く暖かくならないかなぁ。
気持ちだけでも暖かく、花の土鈴を紹介しましょう。
「朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ」万葉集巻10-2104
ここに出てくる「朝顔」は万葉時代の朝顔です。今の朝顔なら「夕影にこそ咲きまさりけれ」とはならなかったでしょうね。
万葉時代の朝顔が何を指したかは諸説あるようですが、この土鈴ではキキョウが描かれています。
以前に紹介した万葉歌・花土鈴でも
「言に出(い)でて 言はばゆゆしみ 朝顔の 秀(ほ)には咲き出ぬ 恋もするかも」という朝顔の出てくる歌の土鈴を紹介しています。
花芙蓉その日その日を遣り直す 斎藤珠子作。
フヨウは一日花で、朝開いた淡いピンクの花びらが夕方にはやや色を増して萎みます。
社鵑草味気なき庭にぎははす しののめ・あや作
花の班紋がホトトギスの胸元の模様に似ていることから、名づけられた社鵑草。
鳥のホトトギスが夏の到来を告げてくれるのに対して、花のホトトギスは秋を知らせてくれるようです。
鳥の「ほととぎす」は春の季語、ほととぎす草は秋の季語です。
西行の歌碑に水引き紅凝らす 西川寿賀子作
初秋(8月)季題の水引きの花です。山野の林縁や庭先などで見られる多年草で8月ごろ鞭のような細長い数条の花軸を伸ばし 赤い小花を無数につけてくれます。
まだまだありますので、来月に続きます。