西国三十三所第7番札所
龍蓋寺(岡寺)の土鈴
今月は岡寺の土鈴をご紹介します。
元々、2020年はオリンピックイヤーということで、今月はオリンピックの土鈴を準備していたのですが 新型コロナウイルスの影響でオリンピックの開催は延期となりました。
そこで、テーマを変更しました。 先月も紹介しましたように岡寺では新型コロナウイルス対策として鍾馗さんのお札を配布されています。 ということで今月は岡寺(龍蓋寺)の土鈴を取りまとめてみました。
飛鳥の岡寺は西国三十三所観音霊場の第七番札所で、また日本最初やくよけ霊場としても知られています。。
古来より土地の名から『飛鳥の岡にある寺』=『岡寺』と親しみをこめて呼ばれていますが、古く創建時の 寺名は龍蓋寺(りゅうがいじ)でした。この『龍蓋寺』という名は、飛鳥の地を荒らし農民を苦しめていた悪『龍』を、 義淵僧正がその法力をもって池の中に封じ込め大きな石で『蓋』をし改心をさせたことからその名が付いたと伝わっています。 『龍に蓋をする→龍蓋寺』というわけです。今も本堂の前に「龍蓋池」があります。知らなかったら見落とすぐらい、意外と小さな池です。
龍蓋寺というお寺の名前にも入っている龍の土鈴です。
奈良時代の高僧・義淵さんが暴れ者の龍を池の中に封じ込めたという伝説が残っています。
山本芳考 作
京都国立博物館に寄託されています重要文化財の天人文甎(てんにんもん せん)をモデルにした土鈴です。
現物は、縦39.2cm 横39.2cm 厚さ8cmの大きさで、レンガ状・タイル状の焼き物です。
立ち上がりの輪郭をとった方形盤面中央いっぱいに、大きく天女を浮き彫りで表しています。 両膝をつき両手をささげているが、その手には天衣が握られています。 膝を屈して坐った形ではあるが、風になびいた天衣のかろやかな曲線からは、天空を飛翔している感じです。 もと岡本宮の装飾として使われた腰瓦と推定されています。
この雰囲気をどれいでうまく再現しています。
背面は扁額をイメージしているように思います。ただ仁王門に掲げられた扁額とは事態が異なります。
山本芳考 作
垂木(たるき)とは屋根の斜面を支える構造体ということです。
その先端を装飾するために釘で打ち付けられた瓦が垂木瓦ですが、平安時代末期以後は金具にとってかわられました。
山本芳香さんが復元した土鈴はこちらです。
山本芳考 作
上の瓦鈴は山本芳考さんのものでしたが、こちらの鈴木康之さんの瓦鈴もなかなか良い雰囲気です。
鈴木さんは実家が代々、本瓦製造業であったので瓦鈴に思い入れが強かったのではと想像します。
鈴木康之 作
観光土産の土鈴です。
手描きなのでなかなか良いですね。
古い龍の宝珠土鈴と戦前の御朱印です。
御朱印には「厄除大悲殿(だいひでん)」と書かれています。。
「大悲」とは観音菩薩さまのことで、衆生の苦しみを救う観音菩薩さまの広大な慈悲の心をあらわしてるそうです。
ヘッダーとフッターに載せた土鈴は最近岡寺で授与されているものです。
ヘッダーの土鈴は童観音、フッターの土鈴は桜地蔵です。