今月の「大和の土鈴」は神戸土鈴友の会のお土産土鈴を紹介します。

神戸土鈴友の会とは土鈴愛好家の集まりで30年以上の活動歴があります。

「お土産土鈴」とは現在1年に四回行われている神戸土鈴友の会の例会で出席者に一個づつ頒布されるオリジナル土鈴で この土鈴欲しさに例会に参加する人もいるほどです。

今月はその「お土産土鈴」の中で2014年と2015年に頒布された八個の土鈴をご紹介します。


神津神社授与 干支・午土鈴

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大阪・十三の神津(かみつ)神社(吉向窯)で新年に授与される宮司手作りの土鈴です。

肉厚で見た目より重く、手にズシッときます。

白い神馬の首に梅の花をあしらったカラフルな仕上がりです。

2014年1月頒布

尾崎人形・高柳政廣作「鳩笛土鈴」

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尾崎人形は実に700年以上の歴史があり、佐賀県内で最も古い陶磁器と言われています。

伝承によると「弘安4年(1281年)蒙古が襲来した元寇(弘安の役)の際、捕虜になった蒙古軍の兵隊が人形を作って吹き鳴らし、遠い祖国を偲んでいた。 そして技術は地元民に伝わり、焼き物が盛んになった。」と言い伝えられています。

蒙古軍の兵隊といっても、当時、モンゴルの属国であった高麗の焼き物職人だったのではないでしょうか。

この焼き物はやがて尾崎焼として、瓦、火鉢、鉢物類を焼くようになり、江戸時代には佐賀藩から幕府への献上品のひとつともなったそうです。

そして、この「鳩笛」は尾崎人形の代表作です。デザインは700年前から受け継がれているそうです。

現在、尾崎人形を継承されているのは「尾崎人形保存会」の高柳政廣さんお一人です。

尾崎人形保存会:佐賀県神埼市神埼町尾崎639ー1

2014年4月頒布

箕面焼・2代目 松田箕山作 ふくろう土鈴

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梟(フクロウ)は「福を招く」としてまた「苦労しない」として、人気のある鳥です。

真っ赤な釉が、独特の味を醸し出す箕面焼です。 大正10年この地に身を寄せた初代の松田志与女は、美しい箕面の紅葉の鮮烈な朱の色を焼き物に映しと取ろうとして箕面窯をかまえました。

その後を継いだ2代目箕山氏は、次女が将来3代目を継ぐことになり、益々作陶に力が入り、新作にも積極的に取り組んでおられます。 新作としては箕面山に所縁のある「役行者鈴」、世界遺産に登録された「赤富士鈴」、「ビリケン鈴」などがあります。

2014年7月頒布

3代目 藤井陶楽作 サンタクロース鈴

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初代藤井陶楽(S56年没)の型を用いて、新たに作られたサンタクロースの土鈴です。

白いひげを生やしたサンタが赤い服を着て、赤い帽子をかぶり、大きな白いプレゼント用の袋を担いでいます。 初代陶楽は16歳の時、常滑陶器学校に通い彫刻を学んだだけあって、サンタの顔の表情や体のバランスなど良く表現されています。

2014年11月頒布

神津神社授与 干支・未土鈴

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前述の午土鈴と同じく、神津神社(吉向窯)の宮司手作りの土鈴です。

羊の絵柄は明るい色彩で、二匹の羊がとても可愛らしい。

箱には「神津神社 神鈴」と表示されていますが、土鈴本体には神社の名が表示されていないのが少し残念です。

吉に向かうという「吉向」(きっこう)の窯号は時の将軍家から賜わったものでした。

将軍家の慶事に際し、鶴と亀の食寵(じきろう・食べ物を盛る器)を献上したところ、海亀の食龍が非常に気に入られ、 「亀甲」(きっこう)と同じ発音の「吉向」となりました。

2015年1月頒布

きむらさちよ作 雛持ち猫土鈴

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きむらさちよ氏は1974.5.7奈良県生まれ。張り子・粘土人形を主に制作されています。

マトリョーシカの作品も多く作られていますが、その一つである「雛祭り猫」5個組の中から一つを可愛い土鈴にして頂きました。

きむらさんの作品は「KIMURA & Co.」というブランドで出されていますので、インターネット上でも「KIMURA & Co.」で 情報発信されていますので、検索すると作品やイベントを見付けることが可能です。

ネット上に公開されているプロフィールには

どこか懐かしい…けれど新しい、

懐かしい空気を感じながらも、今を感じるモノ…作りをしたいなと、 日々モノ作りに励んでいます。 手にした人が「ふふっ」と和めるものをお届けします。

New feeling of nostalgia...

Find the freshness in the good old days, we have creation.

We deliver a smile to you. とあります。

2015年4月頒布

2代目 太田青山作 唐花文様手付き壷土鈴

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二代目太田青山こと太田裕康氏は奈良県桜井市在住の土鈴作家です。

この作品は青山窯の大和土鈴の特長的な彩色と図柄を活かして手付き壷の形状にしたものです。

青山窯(せいざんよう)の説明栞には次のように記されています。

青山窯は、初代父 保が大和平野に位置する大和三山(天の香久山・畝傍山・耳成山)に因んで青山窯と名付け、畝傍山のふもとに昭和45年に開窯しました。

作品は、主として縄文時代から飛鳥、白鳳天平時代、特に正倉院の遺宝、その他装飾文様を参考にし乍ら、古典の美を現代的に生かした独特の製法による新しい陶土器であります。

2015年7月頒布

小幡人形・九代目 細居源悟作 申土鈴

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細居源悟(ほそい げんご)氏は昭和14年1月27日生まれ、滋賀県東近江市五個荘小幡町在住の土人形作家です。

2016年の干支・申年に合わせて申土鈴を作って頂きました。

小幡人形は「おばたでこ」とも呼ばれ、「でこ」とは土人形の古い呼び名です。 約300年前に初代・細居安兵衛が伏見人形をまねて作ったのが始まりとされています。

先代、八代目文造氏(明治45.1.22生~平成1.10.18没)の作品も時々骨董品としてお目にかかることがあります。

2015年11月頒布

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