メーデー(働く人)の土鈴
今月はメーデー(働く人)をテーマにした土鈴をご紹介します。
5月ですからテーマとしてメーデーはずいぶん前に思いついたのですが、 「働く人」の土鈴ってどんなのがあるかというのがなかなか思い当りませんでした。 しかし、何とか作ってみようということでこんなページになりました。
最初は漁業です。
中でも初めは海女さんの土鈴です。中央のものは日和山(おそらく兵庫県豊岡市の日和山)のものですが、同じデザインで伊勢志摩のものもあります。
右端のものは山口茂さんの作品です。山口さんには海女さんをモチーフにした陶人形作品が多いようです。 また、山口さん自身本物の海士(男性の海女)さんでもあるようです。 現在も志摩の海で潜られて、アワビ、サザエなどを取っています。
お次は大漁土鈴です。同じようなデザインのものが山口県を中心に沢山作られています。
左上のものは赤間神宮の壇ノ浦大漁土鈴、
左中のものは下関の亀山八幡宮のもの、
左下のものは金子みすゞ大漁土鈴、
右上のものは長州土鈴・藏本康重作のもの、
右下のものは戦前の作です。
お次は鵜飼です。
左の2つの画像は同じ土鈴の表と裏です。裏側には松尾芭蕉の句「おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉」が書かれています。 「鵜舟が目の前で、花やかな篝火を焚きつつ活発な鵜飼を繰り広げる時、面白さはその極に達するが、やがて川下遠く闇の彼方へ消え去るにつれて、 何とも言い知れぬ空虚な物悲しさだけが心に残る。」といった意味です。
右側の2つは全く違う形で色もモノクロとカラーの違いがありますが鵜飼の絵は同じ下書きを用いたようにそっくりです。
漁業の最後はドジョウ掬いの安来節土鈴です。
お土産鈴として色々作られているようですが、右下のものは長州土鈴・藏本康重作のものです。
漁業の次は農業です。
桜島大根を収穫した薩摩おごじょとリンゴを収穫したリンゴ娘は地方色のあるお土産鈴ですが同じところで作られているのでしょう。
金谷茶の茶摘み娘と茶壺は慈報窯・池ヶ谷榮一さんの作です。
商業として挙げたのは行商猫の土鈴です。籠を頭に載せたり、背中に背負ったりしています。
海老天たまこ 2012年作品
商業としては京都の大原女の土鈴も色々ありますがこれは別の機会にご紹介します。
最後はサービス業です。
左端は大井川の川越人足、捩じり鉢巻きに赤ふんどしを締めて「大井川蓮台越保存会」と書かれた黒い半被を引っ掛けて腕組みをしている威勢のいい土鈴です。 金谷茶の茶摘み娘と同じく池ヶ谷榮一さんの作です。
その右は草津温泉の湯もみおばさん、薩摩おごじょやリンゴ娘と同じシリーズです。
その右は京都・祇園祭の舞妓さん、手には祇園祭の提灯を持っています。
右端は箱根の飛脚さんです
ヘッダーやフッターも働く人をイメージして作りました。
ヘッダーは「あまさん」つながりで、左側は海老天たまこ作の海女土鈴、右側は戦前に作られた長崎修道女土鈴です。
フッターは落語つながりで左側は代書屋さんの土鈴、右側は噺家さんが時うどんを演じている場面の土鈴です。