今月の土鈴 2006年 3月

椿の土鈴



 巨勢山のつらつら椿つらつらに 見つつ偲はな巨勢の春野を
 巨勢山乃 列々椿 都良々々尓 見乍思奈 許湍乃春野乎
          坂門人足(さかとのひとたり).  万葉集 巻一 54
  『意味』巨勢山に連なって咲いている椿の花をつくづくと眺めながら、巨勢の春野を思い出していよう
 「つらつら椿」については、山号を玉椿山という阿吽寺の境内に咲いていた椿では ないかと言う説が言われています。今、奈良の写真美術館「爛漫大和路」では入江泰吉による「東大寺良弁堂落ち椿」等と並んで「阿吽寺のつらつら椿」の写真が展示されていて、良い雰囲気が伝わってきます。しかし、こんな万葉集をだしてくるまでもなく、三月になれば、各地で椿祭りが行われたり、東大寺のお水取りでも「のりこぼし(糊こぼし)」の椿が重要な働きを果たします。そこで椿の土鈴を集めてみました。


つらつら椿

つらつら椿土鈴。
 
紅白椿

紅白椿土鈴。
 


続いて椿祭をご紹介します。
椿粥

椿粥
護国神社の椿祭で接待される椿粥
椿

椿
護国神社椿祭出品の椿
椿土鈴

椿土鈴
左の椿と似ていますネ


 お水取りの「のりこぼし(糊こぼし)」の椿も土鈴のモデルになっています。「のりこぼし(糊こぼし)」とは東大寺開山堂の南側、基壇のすぐきわに植えられた椿(つばき)の木のことで、お水取りに使われる造花の椿を作る時に糊をこぼしてしまったかのような斑点があるので「糊こぼし」呼ばれます。この椿は伝香寺の"ちり椿"、白毫寺の"五色椿"と合わせてに奈良の三名椿(さんめいちん)と言われています。
糊こぼし

糊こぼし土鈴
糊こぼし

糊こぼし土鈴
お水取り

お水取り土鈴




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このページは2007年 2月17日に更新されました。
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