鈴散歩 栞第155号 平成27(2015)年1月

    卓話 授与鈴の現況と課題

 

原文:鈴木正彦  編集:吉田満

1.はじめに

鈴木先生

 前々から申し上げておりますように、私はいわゆる授与鈴というものに大変興味をもっておりまして、偶々(たまたま)2014年9月に談山神社で 私の師匠であります折口信夫先生の没後51年目の迢空祭に参加した折、少し時間と車の便がありましたので久し振りに伊賀上野に参りました。 昔は芭蕉の故郷ということで学生を連れて何度も伊賀上野に出かけて行きました。

 

 

(1)上野天神社(伊賀市)楼車鈴・魔除青鬼鈴 「だんじり会館」

楼車

 伊賀市の上野天神社では「楼車鈴」があります。栞154号の表紙にちょうど伊賀の土鈴が写真に載っております。 楼車鈴の「楼(ろう)」とはいわゆる「やぐら」の意で、楼車とは天神の隣にあります「だんじり会館」の“だんじり”ですので、楼車鈴はだんじりの鈴のことです。 授与鈴は昔は大と小の鈴があったのですが今は小のみです。また表紙にある天神社のお祭りに登場します赤鬼、青鬼の鈴も今は青鬼のみ授与されておりました。 宮司の話では「今は皆、置いても中々でませんので」というこでした。

 

 後でだんじり会館に参りましたら、何とここには楼車鈴の大・小、青鬼・赤鬼もありましたし、他に俳聖殿鈴、芭蕉像陶鈴、伊賀の忍者のものなど以前のままの鈴が置いてありました。ただ驚きましたのは、 芭蕉翁生家に訪れますと、観光客が随分と多く訪れるようになったせいでしょうか昔は簡単に座敷にも上がれましたが今はできませんでした。また、入口を入った直ぐの所には芭蕉関係の色々なものを売っており芭蕉像の陶鈴もありました。何もかもが観光化されて変わっていっているようです。今回の上野天神社にお参りしたのが縁で、今もまだ授与鈴として残しているのだなと思いながら、今度は久しぶりに明日香に行ってまいりました。明日香の岡の集落の電柱を地下に埋めるのに4年かかるということで、飛鳥藍織館・土鈴館も閉めましたが、どれくらい変わったのかと見に行きますと2年経っても何も変わっていませんでした。

後でだんじり会館に参りましたら、何とここには楼車鈴の大・小、青鬼・赤鬼もありましたし、他に俳聖殿鈴、芭蕉像陶鈴、伊賀の忍者のものなど以前のままの鈴が置いてありました。 ただ驚きましたのは、芭蕉翁生家に訪れますと、観光客が随分と多く訪れるようになったせいでしょうか昔は簡単に座敷にも上がれましたが今はできませんでした。 また、入口を入った直ぐの所には芭蕉関係の色々なものを売っており芭蕉像の陶鈴もありました。何もかもが観光化されて変わっていっているようです。 今回の上野天神社にお参りしたのが縁で、今もまだ授与鈴として残しているのだなと思いながら、今度は久しぶりに明日香に行ってまいりました。 明日香の岡の集落の電柱を地下に埋めるのに4年かかるということで、飛鳥藍織館・土鈴館も閉めましたが、どれくらい変わったのかと見に行きますと2年経っても何も変わっていませんでした。

 

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