日本三景
日本三○○、とか三大○○とか言われるものがあります。例えば、日本三大夜景といえば神戸、長崎、函館、日本三大怨霊といえば 菅原道真、平将門、崇徳天皇、そして、日本三大土鈴といえば、「山梨県 虫切り鈴」「福岡県 英彦山がらがら」、「とやま土人形 蛇の目土鈴」と言われています。 でも異論もあるかもしれませんね。その中で、異論のない定番とされているのが日本三景です。
日本三景とは景勝地として親しまれている松島、天橋立、宮島で、江戸時代の初めには定まっていたようです。
自然の奇跡が形作った松島、天橋立、人の生み出した芸術が自然と調和した宮島・・・、有名な観光地ですから土鈴もたくさんあるかなと思って集めてみました。
世界最大の海洋、太平洋の目玉の一つはその雄大な水平線。
松島はそんな太平洋の水平線と多島美が同時に楽しめる稀有な景勝地です。
こんな感じの観光土鈴がありました。土鈴だけでは寂しいので風景印も。
土鈴にも風景印にも共通して瑞巌寺五大堂が描かれています。
松尾芭蕉の旅姿の土鈴です。
松島のあまりにも美しさに息をのんで地名と感嘆詞だけで詠んだ俳句、季語もありません。季語のない俳句のことは「無季俳句」と呼ばれ、ありだそうです。
ところで、この俳句、松尾芭蕉の代表作のように勘違いされて、この土鈴もできていますが、実際は松島に同行した弟子の田原坊が作ったものだそうです。
この田原坊、相模(現・神奈川県)の狂言師で、せっかく狂言師らしくトリッキーな俳句を詠んだのに師匠の作と思われてしまった。残念!!。
天橋立の土鈴です。天橋立といえば股覗き、さかさまに見える景色は天にかかる橋のようにも龍が降臨する姿にも例えられます。
この股のぞきは明治33年(1900)頃に傘松公園に展望所が設置されたことによって広まり、大正~昭和初期の絵葉書に多数見られるほど一般化したようです。
日本三景の最後は安芸の宮島です。
安芸の宮島のシンボルといえばやはり海中に立つ大鳥居ですね。色々な種類の土鈴が作られています。
宮島のお土産として有名なものの一つはしゃもじ(宮島杓子:みやじましゃくし)です。
その始まりは、日清・日露戦争の時、全国から召集された兵士が広島の宇品港から出征する際、厳島神社に無事な帰還を祈願し、 「敵をめしとる」という言葉に掛けて杓子を奉納し、また故郷への土産物として持ち帰ったことから全国的に知られるようになったそうです。
そんな有名なしゃもじ、土鈴も色々作られています。
厳島神社授与の社紋土鈴です。
嚴島神社の神紋は、「三つ盛り二重亀甲に剣花菱」と呼ばれています。
「二重亀甲に剣花菱紋」は出雲大社の神紋ですが、厳島神社のものは、それが3つ重なっています。
厳島神社に祀られた三女神の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)によって3つ重なったとの説があります。
宮島楽太鼓(みやじまがくだいこ)の土鈴です。
楽太鼓は雅楽器の一つで、2本のばちで打つ扁平な太鼓。釣太鼓(つりだいこ)・担太鼓(にないだいこ)・大太鼓(だだいこ)の3種があるが、土鈴はこのうち大太鼓。
宮島土鈴 - 越智陶芸製
松島や天橋立と比べて宮島の土鈴が多いのは越智陶芸の地元ということにある。
ヘッダー、フッターにも宮島の土鈴を集めてみました。
ヘッダー左側は厳島神社・玉取祭り土鈴、右側は鹿猿土鈴の変形で猿の代わりにカープ坊やが乗っています。
フッター左側は厳島神社の神楽土鈴、右側はしゃもじを4面に象った幸(四合わせ)鈴。