2024年は「甲辰(きのえたつ)」の年です。そこで今月は辰の土鈴を紹介します。

 辰は干支鈴の中では寅と並んで人気の干支です。種類も結構多いと思います。

 


岡寺(龍蓋寺)の玉龍土鈴

玉龍

飛鳥の岡寺(龍蓋寺)の玉龍土鈴です。

中央と左下は山本芳考さんの作品。

右下の物は芳考さんの原型から山本芳香さんが復元した作品です。

 

慶雲辰

慶雲

海老天たまこの雲龍土鈴「慶雲辰」です。

辰と雲を別々に作って、雲の周りに辰をクルクル巻き付けるように作られたので一つ一つ出来上がった形が異なります。

 


春日大社授与鈴

春日大社

春日大社の一刀彫風の辰土鈴です。

奈良のお土産の一つとして一刀彫があります。1本の小刀で木を彫って、その荒いタッチを生かした作品です。

その雰囲気を活かして作られた土鈴で春日大社の授与鈴です。

 

だるま寺

だるま寺

京都のだるま寺・法輪寺の干支土鈴です。法輪寺では毎年、十二支の動物と達磨が組み合わされた土鈴が授与されています。

 

 

長建寺水龍

長建寺水龍

清水人形 高橋毅孖(たかはしたかし)作の長建寺(ちょうけんじ)授与土鈴「阿吽の水龍」です。干支鈴として作られたものではないと思われます。

清水人形は、江戸時代の終わりから主に食器の制作を手掛けて4代目が人形の制作を手掛けて以来、高橋家で受け継がれている人形です。

長建寺は、京都市伏見区にある真言宗醍醐派の寺院で、本尊は八臂弁財天です。弁財天を本尊とする寺院は京都でもここだけだそうです。

長建寺の授与土鈴には、この「水龍土鈴」の他に、ご本尊の弁財天に因んだ「弁財天土鈴」があります。

 

首振り辰

首振り辰

令和6年用84円年賀切手の図案には川崎巨泉の玩具帖から辰の鈴(昭和15年 堺湊焼 津塩政太郎作)が選ばれました。

土鈴が選ばれたということは嬉しことですね。 玩具帖の説明には次のように書かれています。

昭和15年辰年作 辰の鈴 湊焼 梅谷(紫翠)氏から入手 高二寸五分 これは(大阪)張子龍首振りを見て作れり

 

頭龍

頭龍

相模土鈴「可麻久良(かまくら)民芸店」 相沢伊寛(ただひろ)さんの作品「頭龍」です。

相沢さんは昭和5年(1930年)生まれで栃木県出身、父は佐野土鈴の相沢市太郎さん。武蔵野美術大学で洋画科を専攻、卒業後1955年に藤沢に窯を開き、 鎌倉の歴史や伝説に基づく相模土鈴を作成されました。

この「頭龍」土鈴、平成24年用年賀50円郵便切手のデザインに採用されました。

 

ヘッダーは備中張り子倶楽部・井上エリさんの梅辰土鈴、梅の花を辰が貫いているユニークなデザインです。フッターは伊勢神宮の授与鈴・五十鈴です。
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