今月は福島県の土鈴をご紹介します。

福島県は有名な郷土玩具がたくさんある地方なのですが、 土鈴もまた、実にたくさんの優れた作品があります。


おかめ・ひょっとこ二面鈴

おかめ・ひょっとこ

「相馬土の鈴」のおかめとひょっとが裏表に描かれた土鈴です。

彩色が鮮やかです。

私のコレクションの中では福島県の第1号です。

相馬中乃郷焼

相馬中乃郷焼

福島県南相馬市にある窯元、相馬中乃郷焼・入道窯の相馬土鈴です。

出張で利用した福島空港で見つけた土鈴達です。

相馬中乃郷焼の作家さんとして大谷呂庵、高野博美、浅野宗一郎といった名前が挙げられています。

陶芸教室も積極的に開催されています。


   はねこんま

    はねこんま土鈴 大谷呂庵作

かしゃ猫

がしゃ猫

会津志津倉山の「かしゃ猫土鈴」です。。

 その昔 志津倉山に化け猫が住み、雨を百日降らせ、百日の日照りを続け、性悪き病を流行らせ、若くして没する人の骸を食い、その余命をわがものにしてこの地方の人々を困らせていました。 これを聞かれた弘法大師様は志津倉山のコシアブラの木でかしゃ猫を退治し、『猫の魔力で天の災いから人々を救い人の病を治す志津倉山の主になれ』とさとされました。

 それ以来、化け猫は天の災いを除き、難病をも治す志津倉山の主になったと伝えられています。以前には、この地方では魔除けの神として子どもが生まれると コシアブラの木でかしゃ猫のこけしをつくり玩具としていたそうです。

カシャは火車または化車という字をあてるようです。また、猫の妖怪「猫又」と重複することもあるようです。

べろ長

べろ長

べろ長(なが)は磐梯山付近の川や沼の水を長い舌で吸い上げ干からびさせたり、吸った水を村に向け吐き出して洪水を起こすなどの悪事を働いたといいます。

あるとき、べろ長に困った農民達が偶然この地を訪れていた弘法大師に退治を依頼しました。弘法大師はべろ長の舌を縄で縛り上げ、以後の被害を食い止めたといいます。

このべろ長は磐梯山の手長足長伝説をモデルに「はそべ工房」が創作した妖怪だということです。

はそべ工房 作

すか川土鈴 六桃窯

すか川土鈴 六桃窯

すか川土鈴六桃窯 菊池瑞成さんの作品です。

上段は左から鯰、イノシシ(亥)、

下段は左からあかべこ、熨斗、庄助とくりです。

 

菊池瑞成

引き続き、すか川土鈴六桃窯です。

上段は左から白兎、壺ネズミ、えんつこ(嬰児籠)、

中段は左から満月(兎の餅つき)、赤牛、

下段は左からダックスフンド、雷鳥です。

すか川土鈴は多作ですので以上はごく一部です。またいつの日か他の作品も紹介できればと思います。


ヘッダーの土鈴は会津若松市の中湯川人形・青柳守彦さんの作品です。左は裃酉、右は俵乗り酉です。

また、フッターの土鈴は会津若松市の「番匠」にて素焼き土鈴への絵付け体験で作成した作品です。左はあかべい、右はあかべこです。

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