栞バックナンバー 第2号①
昭和62年11月29日
目次
[1] 第九回神戸土鈴友の会のご案内
[2] 第八回神戸土鈴友の会の記録
[3] 卓 話 住吉大社と住吉人形
初辰猫について (概説)
[4] 卓 話 名古屋土鈴について (概説)
「鈴の栞」について
[5] 卓 話 住吉大社と住吉人形 初辰猫について
[6] 卓 話 名古屋土鈴について 野田末吉氏作
秋たけなわの好季節となって参りました。皆々様御健祥のこととお喜び申し上げます。
下記の通り開催しますのでご多用中とは存じますが、参加の程、宜しくお願い申し上げます。
○日時 昭和62年11月29日(日)午後1時30分~4時30分
○場所 神戸市東灘区御影大手会館(御影中町8-1-13)分
○会費 当日会費 1,000円分
○卓話 韓国土鈴について 大坪広子氏
日田土鈴について 川西誠治氏分
○お土産土鈴 井上博秀氏の日向かぼちゃ鈴分
○頒布品 前回の残部、お雛立雛土鈴、民芸土鈴、大分の民話、吉四六さんの顔土鈴をはじめ日田の吉田東光さんの手づくり土鈴を送っていただく予定です。分
○入札土鈴 今回は会員である大阪の矢野一枝さん(病臥中)より、趣味土鈴や民芸土鈴、有名作家土鈴を約40個本会に寄贈されましたので見ていただくのも楽しみで、当日入札頒布を致します。分
○お願い
・韓国土鈴をお持ちの方は是非ご持参下さい。色々話題の場を広げたいと存じます。
・民芸土鈴、神社授与土鈴等で余分のものがありましたら是非共頒布会にご出品下さい。
・出欠は大分先になりますが一応のご返事をお願いします。
○日時 昭和62年9月13日 PM1時30分~4時30分
○場所 神戸市東灘区御影町 御影大手会館
○参会者 山田旺、平柳冨美子、三輪喜実、大坪広子、尾崎俊子、進藤勝哉、
道上健三、松田昭美、川西敦子、川西誠治 以上10名
○会次第 司会 進藤勝哉氏
挨拶 山田旺氏
会計報告 尾崎俊子氏 会費徴収状況並びに残高報告
会員の協力により運営費に役立ち安堵している。
○頒布 今回は順序を変更して最初に頒布会を行う。
出品土鈴の主なもの
・東京の語鈴会、磯七蔵氏の寄贈品の競売
・井上博秀氏作の語鈴会記念土鈴(限定品)
・青島神社の蛤鈴 ・高山の岩氏人形土鈴 ・ヨーヨー鈴等々 入札制
・進藤勝哉氏の堺湊焼の住吉神社授与の猫人形を特別に土鈴に作られた特注の猫鈴を十数個(卓話で詳しく報告)
・川西誠治氏より祇園祭南観音山鉾鈴は祇園祭の当日に限り授与され、市販はされない(5ケ)。山本香泉氏の民芸土鈴(3ケ)。
中ノ子勝美氏の又七?の民話土鈴(3ケ)。日本土鈴館販売の越後、美濃、九州の内裏土鈴立雛(8ケ)。
・尾崎俊子氏より浅草観音の干網土鈴(3ケ)。その他数個あり。得難いものがあり、にぎやかで実りのある頒布会であった。ただし、今回は3個以内に自粛していただき、多少を次回に残した。
○お土産土鈴 (耳なし法一)博多土鈴 井上博秀氏作。平家物語の琵琶法師の怪談より考案されたもので、下関の赤間神宮より授与されるものである。
住吉大社と住吉人形 初辰猫について 摂津一宮の住吉神社の由緒と大阪人の信仰、それに伴う人気と土産物として、住吉人形としてもてはやされた、その源流に遡り講話 現在も継続している湊焼による種貸さん、裸人形、喜々猿、睦み犬、左神馬、住吉踊り、等の民芸玩具について(実物並びに写真による説明) 初辰猫については、末社・楠?社(なんくんしゃ)、住吉本社の裏脇に鎮座し、宇迦魂命 (うがのみたまのみこと)を祀る。月初めの辰の日にお参りすると商売繁盛の縁起により1年12回、4年48回を続けて48ケがそろうと満願として(年々大振りにする)「始終発達」で語呂もよく商売繁盛につながる。尚、大阪は色町でもあり旦那衆や芸者衆は猫が「大入り」と「人気」につながるものとして猫の姿をしている。現在は神社で猫人形は授与されているが、猫が旦那衆の羽織紋付の姿をしている。 猫土鈴は湊焼の窯元で七代目の津塩吉右衛門氏が特別に土鈴に仕立てたもので進藤氏が特別にお頼みになって、特に家紋を入れて48個を作ってもらわれたものである。それと同じものを我々にも頒布品として頂いたのである。また、進藤氏は48ケを並べる棚を自作で作成し、飾り棚に並べて楽しんでおられる(写真説明)、実に見事なものである。進藤氏ご自慢の土鈴でもある。 その他、作家・津塩氏についても、猫と大阪人等やその他の伝説を加えてユーモラスな話もあり(新聞記事等より) 誰かが「進藤さんが猫の姿によう似とる」などの冗談も飛び、笑いと楽しみのある有意義な講話であった。(川西誠治記)
名古屋土鈴の端正、巧緻、艶麗な小ぶりの鈴は野田末吉氏の作、その中の代表的作品、三番叟鈴、二福神鈴、おいらん鈴、宝船鈴、絵馬鈴を、また野田氏の喜寿と夫人・八重子さんの古希を祝った鶴亀の記念土鈴を持参、実物を回覧された。 野田氏は本来、伝統の名古屋人形の作家として有名であるが土鈴を作るようになった因縁については趣味家土鈴の人々がこぞって製作を依頼されたことに始まる。 野田氏夫妻のお人柄や訪問されたときの様子、たたずまい等々を十年昔の思い出としてお話があった。 数ある土鈴の中にあって、独特の地歩を持つ有名な土鈴で今は老齢で寡作であるので、今後はなかなか入手することが出来ないものである。特に記念土鈴は門外不出のもので、これらは川西氏の貴重な蒐集土鈴として大切にされている。
栞は本の間に読み続きのためページ端の紙を折って目印にしたものを、紙を折る代わりに紙片を入れて目印にした。この紙片が紙折り(しおり)である。 大正時代にはよく流行したもので、今でも絵葉書代わりによく見受ける。 本来は木の枝を折って目印にして山路の帰りを迷わないように道案内にしたもので枝折(しおり)と書くのが本当である。 それにより、「修学旅行の栞」のように案内とか覚書とか、手控えといった意味で使われている。 そのことから前回にあったことなどを手びかえとして、また欠席者には案内を兼ねて概略を書いたものであります。 鈴の栞はそんなわけで折々について備忘録としたいものです。
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