土鈴作家・桝井宗洋氏は2017年6月17日に84歳で亡くなりました。

このホームページでも度々宗洋氏の作品を紹介してきましたが、一周忌にあたり、追悼の意味で作品をご紹介しようと思います。


平城京の土鈴

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平城京の朱雀門と貴族の一家、平民の夫婦の土鈴です。

朱雀門の土鈴は高さが約18cmとかなり大きなものです。

宗洋氏は亡くなる直前にさらに大きな朱雀門土鈴にチャレンジされていましたが未完の遺作となったようです。

アザラシの土鈴

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アゴヒゲアザラシの「タマちゃん」とゾウアザラシの土鈴です。

2002年に多摩川に姿を現し、大ブームを起こした「タマちゃん」を早速土鈴にしました。

熱帯魚の土鈴

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海の日は、1995年(平成7年)に制定され、1996年(平成8年)から施行された日本の国民の祝日の一つです。 制定当初は7月20日でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。

海の日に因んで作られたのが熱帯魚の土鈴です。

チョウチョウウオ、ツノダシ、カクレクマノミです。他にも「イソギンチャクとクマノミ」等もありました。

ツチノコ

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ツチノコの土鈴です。

ツチノコ(槌の子)は、日本に生息すると言い伝えられている未確認動物のひとつで、名前のとおり鎚に似た形態の、胴が太いヘビとされています。

宗洋氏の作品は手びねりが多いのでツチノコも色々な姿勢のものが作られています。

山の土鈴

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山の土鈴を2種。

一つは大和三山とそれに囲まれた藤原京の土鈴です。

大和三山とは奈良盆地南部にある天香具山(あまのかぐやま:152m)・畝傍山(うねびやま:199m)・耳成山(みみなしやま:140m)の総称です。

もう一つは京都五山の送り火の土鈴です。

五山送り火(ござんのおくりび)は、毎年8月16日に京都府京都市左京区にある如意ヶ嶽 (大文字山)などで行われるかがり火です。

大文字以外には「松ヶ崎妙法」、「舟形万灯籠」、「左大文字」、「鳥居形松明」があります。

夜の闇に浮かぶ松明が土鈴になっています。

戌干支鈴

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最後にご紹介するのは干支土鈴です。

宗洋氏の土鈴のルーツはお茶のお弟子さんにプレゼントした干支土鈴だと言われています。そして毎年ユニークな干支土鈴を数点ずつ作られてきました。

一番力の入ったのはご自身の干支である酉鈴であったという評判ですが、ここでは今年の戌鈴をご紹介しました。 犬猿の仲の猿と仲良くしている犬、アニメチックで可愛い犬、大宮人とペットの犬です。

前回の戌年(2006年)に宗洋氏が戌鈴について書かれた文がありますので以下に引用します。

 今年は戌の年、古代より人と犬との関わりは深く心温まるエピソードが数多くあります。しかし、現在に到りそのかかわり方が大きく変って来ております。 ペットショップでは高値を付けられ不安顔で座っている犬達、派手なファッションの犬の衣装なるものが店頭に数多く並び、 街ではそんな衣装を着けられた犬を満足げな顔で連れ歩く人、中には目を疑うような格好を犬にさせている人もおります。 しかし、その反面、病気になった犬、老いてきた犬などを簡単に捨てる人も数多くおり捨てられた犬は野犬となり、やがて捕獲され処分されていきます。 誠に憂うべきことであります。

 戌の年に当りもう一度、真の人と犬とのかかわり方を考えてみるべきだと思います。

 皆様方におかれましては数々のつち鈴を蒐集され大切に大切に保管されておられますが、その中にも犬のつち鈴も多くあり可愛く並んでいることと思います。

出典:神戸土鈴友の会「栞」113号

今までに紹介した桝井宗洋さんの土鈴のページです。

  2004年09月 大和国中土鈴 金鵄土鈴

  2004年10月 大和国中土鈴 今井町 駒つなぎ土鈴

  2004年11月 大和国中土鈴 藤原京 軒丸瓦土鈴

  2004年12月 大和国中土鈴 飛鳥 亀型石土鈴

  2005年06月 熊野古道 牛馬童子

  2005年07月 義経

  2006年10月 久米仙人の土鈴

  2014年02月 花土鈴(上)

  2014年03月 花土鈴(中)

  2014年04月 花土鈴(下)

他にもありますが、また別の機会に。

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