JR桜井線柳本駅から東へ卑弥呼(ひみこ)の鏡で有名な黒塚古墳を左に見て国道169号線にぶつかると
正面にあるのは現・崇神天皇陵(行燈山古墳)です。そこで、国道を渡らずに右(南)に折れると伊射奈岐神社の鳥居が見える。その向こう側のこんもりした小山が今回の天神山古墳なのです。
現在は国道で半分削られた、例えていえば二枚に下ろして骨の付いた方の片身といった感じで存在しています。
黒塚古墳は34面の鏡が出てフィーバーを起こしましたが、この天神山古墳も23面の鏡が発掘されています。それも道路工事の途中、わずか10日くらいであわただしく発掘されたということです。直線距離でわずか300m位離れているにすぎないこれら二つの古墳ですが、日本で一番鏡の密度が高い地域といえるでしょう。もう一つ特徴的なことは黒塚古墳の鏡は34面中33面が三角縁神獣鏡なのに対して、天神山古墳のものは三角縁神獣鏡が含まれておらずバラエティに富んでいるということです。年代的には古墳時代前期築造で中山大塚古墳より新しく、黒塚古墳よりは古いと考えられています。
また、天神山古墳はかつて現・崇神天皇陵・行燈山古墳の陪塚と考えられていましたが、現在は独立した古墳と考えられています。
墳形 | 全長 | 後円部径 | 後円部高 | 前方部幅 | 前方部高 | くびれ部幅 | くびれ部高 | 年代 |
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前方後円墳 | 113 | 55 | 50 | 古墳時代前期 |