奈良県 奈良市
油掛地蔵尊は「護国神社」から西へ。室町時代の作とされるお地蔵さんです。
中世の奈良の住人にとっては、この地はちょうど奈良と田舎の境にあたります。地理的な境ではありますが現実界と冥界の境に立って冥界へいくものを救ってくれるお地蔵さんを祀ったのは精神的な境を感じたのでしょう。
このお地蔵さんは、子授け地蔵として古くから信仰されています。昔、大雨が降り続き、直ぐ北を流れる「岩井川」が溢れた時、このお地蔵さんが川上から浮きつ沈みつしながら流れて来ました。見つけた人が引き上げようとしましたが、信心が浅く上がらなかった。ところが信心深い老人が何の苦もなく引き上げると、その夜、地蔵さんが夢枕に立って「わしは子を授ける地蔵だ、毎日種油をかけてお参りすれば、必ず子を授ける」とお告げになりました。それから老人はお告げのとおり毎日種油をかけて拝んでいると、お婆さんに可愛い子が授かりました。その話が伝わって遠くから子供の欲しい人たちがお参りに来るようになったといわれています。
また、このお地蔵さんは、鼻かけ地蔵とも呼ばれています。
昔、藤堂氏の城下で相撲があったときに奈良の力士が「是非勝たせてください」と祈ったが負けてしまいました。力士は怒って地蔵さんを石で殴りつけたので鼻が欠けてしまった。ところが力士も帰り道で倒れて鼻を打って死んでしまったといわれています。
(以上は古市町地蔵講の説明板他を参考にしました。)
境内
地蔵
近くの蛭子神社
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