卓話 授与鈴の現況と課題 7ページ目

 

2.授与鈴の種別と分布状況

(1)伝統的授与鈴

[B群]その神社あるいはお寺に祀られている神様、仏様或いはそれに関連したものを模した類のもの つづき

蹴鞠鈴

◇蹴鞠鈴 (談山神社)

談山神社では大化の改新の立役者である藤原鎌足と中大兄皇子が蹴鞠をきっかけとして出会い、やがて水魚の交わりを結んだ故事にちなんで毎年「けまり祭」が行われます。

余談ですが以前、歴史の授業で645年に蘇我氏を滅ぼしたクーデターを「大化の改新」と教わりました。しかし、最近はこのクーデターは「乙巳の変」と呼ばれています。

そして「大化の改新」はというと、翌646年に発せられた改新の詔とこれによって始まった政治的改革のことになりました。

 

十三重塔鈴

◇十三重塔鈴 (談山神社)

談山神社の塔は世界で唯一の木造十三重塔です。

神社なのに塔があるのは明治初期の神仏分離令までは神と仏が一体の神仏習合のもと、妙楽寺(みょうらくじ)と呼ばれた名残です。

 

初音の鼓鈴

◇初音の鼓鈴(吉野神宮)

初音の鼓とは、源義経が静御前に預けたと伝えられる伝説上の鼓で、定番の歌舞伎演目「義経千本櫻」・「狐忠信」に登場するアイテムです。

 

珍々鈴

◇珍々鈴(飛鳥坐神社)

毎年2月の第一日曜日に行われる「おんだ祭り」、子孫繁栄・五穀豊穣を祈る古来からの伝統行事であり、「日本三大奇祭」のひとつとも云われています。

天狗とお多福が演ずる夫婦和合の所作、そこからイメージした珍々鈴です。素焼きの大きなものと陶鈴の小さなものの2種類がありました。

 

 

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