土鈴関連の辞書です。

今後とも充実を図ります。


やまもとほうこう 【山本芳考】

 本名・山本良久。 大正10年(1921年)1月30日生~昭和62年(1987年)2月11日没。 陶芸家・土鈴作家であり、社寺の授与鈴の作家としては第一人者であった。

 第二次世界大戦前に当麻焼の大塚順啓氏に師事し、土鈴作りを学ぶ。紀元2600年祭に際して母窯「當麻焼」から分かれて「畝傍焼」を創始。 戦前の作品としては飛鳥大仏、吉水神社の神鈴、談山神社の狛犬、当麻寺の仁王が挙げられる。 しかし、昭和17年の召集で中断、ビルマで終戦を迎え、1年間の収容所生活を送ったのちに帰国。 その後、薬品関連の仕事に従事した関係で唐津に赴任し、その間に唐津焼の技術を習得した後、昭和38年に帰郷。これより、土鈴作りを再開した。

 芳考氏の作品は、モデルとなる仏像、瓦等の対象物にあくまでも忠実でレプリカかと思われるほどリアルに仕上げられ、 妥協を許さぬ職人気質が感じられる。白毫寺の司録鈴の原型を作るときにも本堂内に粘土を持ち込んで数時間も立ち続けて思案し考案して作成されたという。 没後30年以上経た現在でもオークションや骨董市での人気が理解できる。

 長男で陶芸家(明日香窯)の山本義博氏の奥さんが山本芳香として芳考氏の型から土鈴を復元されている。


 

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