奈良の吉備塚古墳で人物文様の大刀が出土し現地説明が催されました(2004.02.07)。この吉備塚古墳というのは直径が25m位の目立たない円墳(後円部が失われた前方後円墳との説もありますが)ですが、あの吉備真備のお墓だとの伝承もあるそうです。
鉄製環頭大刀(6世紀前半)が出土したので俄然話題となりました。大刀は木棺の中から発見され、長さ93センチ、幅3センチ。刃はさびていたが、エックス線で分析したところ、刃の表に人物像と龍、花文、裏に人物像、虎、花文が象眼されていることが分かりました。人物像は羽根としっぽが生え、烏帽子(えぼし)形の冠をかぶっており、神をイメージしたとみられます。龍虎を象眼した大刀の出土は国内で1例ありますが、人物像は初めてで、滑らかな描線の技術は一級品と紹介されました。
墳形 | 全長 | 後円部径 | 後円部高 | 前方部幅 | 前方部高 | くびれ部幅 | くびれ部高 | 年代 |
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円墳 または前方後円墳 | 25 40 | - | - | - | - | - | - | 6世紀 |
全景 クヌギの大木が生えています。言われなければ古墳に見えません。 |
発掘現場 穴の左側にある棒状のものが三累環頭大刀とは別の大刀発掘の位置 |
発掘現場 |
現地説明会 |
画文帯環状乳神獣鏡 |
埴輪 |
大刀 柄の先端にある環状の飾り |
つかに当たる環頭は3つの三日月型がつながった「三累」と呼ばれる形。 中心に、神とみられる金銅製の人物像がはめ込まれています。発掘した調査委員会によると「神仙思想に基づき、神が龍虎を従えた昇仙図では」と見られています。 |
矢尻 |
三累環頭大刀 |