「京の伝統野菜」ってご存知ですか?
「賀茂ナス」「聖護院かぶら」「壬生菜」「堀川ごぼう」「九条ねぎ」「すぐき菜」「伏見唐辛子」「桂瓜」、それに「鹿ケ谷カボチャ」など京都府内の伝統的な野菜34品種。産地の地名と野菜名とを加えて命名されたものがほとんどです。意外と最近、昭和62年の秋、有識人による討議によって定められたそうです。
ところで今回のテーマはその京野菜の一つ、瓢箪形の『鹿ケ谷かぼちゃ』(ししがたにかぼちゃ)です。鹿ケ谷かぼちゃは寛政年間(1789〜1801)のはじめに洛東粟田村(現在の平安神宮のあたり)に住んでいた玉屋藤四郎というお百姓さんが津軽より持ち帰り、鹿ケ谷村の百姓だった庄兵衛と又兵衛に作らせたのがその始まりと云われます。
その名のとおり鹿ケ谷で作られていたのですが近くに琵琶湖疎水が通じてからは漏水により畑作に適さなくなり今では洛北、洛西で作られているそうです。
7月25日には東山・哲学の道近くの安楽寺で「かぼちゃ供養」が行われます。かぼちゃ供養はこの日にかぼちゃを食すると中風にかからないと云われ約220年前に始まったそうです。 当日は鹿ケ谷かぼちゃの煮物が接待されます。味付けが程よく、美味しいカボチャです。
鹿ケ谷かぼちゃ土鈴 鴨社と書かれています |
瓢箪形の鹿ケ谷かぼちゃ 安楽寺に供えられていたカボチャです。 |