全国火災予防運動は年に2回、春と秋に実施されています。

2018年秋の全国火災予防運動は11月9日から11月15日までとなっています。

火災予防に関連する土鈴は12年前にも紹介しましたが、今月も改めてご紹介します。


三つ玉鈴

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「火の用心」の札がぶら下がった三つ組の土鈴です。

各々には河童の顔、椿の花、梅鉢が描かれています。同じ作者の「大将かっぱ」、「があたろ」人形も火消人形とされていますのでカッパ=火の用心ということでしょう。

長崎県佐世保市・西安工芸 山田嘉明 作

火の用心カッパ

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カッパがオシッコで火を消そうとしています。

 

消防車

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星の王子様  帽子かと思ったのに!

星の王子様が絵を描きました。ジャングルにいる大蛇ボアの絵です。大蛇ボアは獲物をまるごと、噛まずに呑み込むんだって。

おしゃれな帽子のようにも見えますが・・・

ある夜のことでした、火災現場に急いでいた消防車がいました。あまりにも急いでいたので道路上で大あくびをしていたボアに気づかずに走り続け、いつの間にかうわばみさんのおなかの中に。

消防自動車を飲み込んで満腹のボアさんの土鈴です。

他にもジャンボジェット機や国鉄153系電車や象を飲み込んだボアさんの土鈴が作られました。

2012年10月 海老天たまこ 作

鯱・鯱鉾(シャチホコ)

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鯱は元々、姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っているという想像上の動物。

それを模して主に大棟の両端に取り付けられる装飾瓦の一種となり、建物が火事の際には水を噴き出して火を消すといわれています

画像の右の土鈴は姫路城、中央の金色のものは名古屋城で犬山・前田南強の昭和中期の作品、 左の白いものは戦前の布留部焼・中村呂香作品で天理教・神面土鈴12個組中の「月読」です。

月読命(つきよみのみこと)は鯱の姿の男神だそうです。鯱の姿ではありますが、火災予防の御利益は無いようです。

こちらにも鯱土鈴を紹介しています。

法輪寺の鯱尾(シビ)

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斑鳩三塔の一つとして有名な法輪寺の鯱尾土鈴です。

画像では4種類ですが、鯱尾土鈴の種類としては法輪寺が一番多いのではないかと思われます。

法輪寺には白鳳時代の鯱尾(重要文化財)が保管されています。これは江戸時代初めの1645年の台風で倒壊した講堂のもので、白鳳時代の鯱尾は大変珍しいとされています。

鯱尾は瓦の伝来に伴い、飛鳥時代に大陸から日本へ伝えられたと考えられており、火除けのまじないにしたといわれています。

法隆寺花柄鴟尾

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奈良の瓦屋さんの窯で焼いた創作土鈴です。

2013年 奈良市・瓦道製

火防陶器神社の土鈴

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火防陶器神社は大阪市中央区久太郎町にあり、周辺は瀬戸物町、または横堀陶器棚と呼ばれて17世紀後半以降、陶磁器の仲買商が軒を並べる街区でした。

神社は坐摩神社の境内にあり、江戸初期、陶磁器を保護する藁を扱う陶磁器商が「火除けの守り地蔵」を火除けの守護神としたのが始まりとされています。

毎年7月22日から26日にかけて「陶器祭り」が開かれ、皿や茶わんなどの陶器で飾られた人形も展示されます。

瀬戸物町といえば、落語「壺算」の舞台としても有名ですね。

 ヘッダ―やフッターに用いた画像も鯱尾土鈴です。フッターの山本芳香さんの飛鳥寺鴟尾土鈴は山本芳考さんの型から復元されたものです。

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