今月は歌舞伎をテーマにした土鈴をご紹介します。


勧進帳・弁慶の土鈴

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歌舞伎の中でも名作と言われている『勧進帳』の名場面、偽の勧進帳を安宅の関の関守・冨樫の要求通り読み上げた弁慶が、 勧進帳に見立てた巻物を右手に、お数珠を左手に持って構えます。

お不動さんに似た形に決めるので、このポーズは「不動の見得」と呼ばれています。

この見得を切っている弁慶さんを土鈴にしました。立ち姿の弁慶さんと達磨さん風にデフォルメした弁慶さん、どちらがお好きですか?

2016年10月 海老天たまこ作

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相手役の関守・冨樫ですがこのような土鈴もあります。

土佐(安芸)土鈴 山本香泉作

勧進帳土鈴 干支バージョン

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上と同じく勧進帳の弁慶土鈴ですが見得を切っているのは人間ではなく干支の動物:酉、戌、亥です。

好評のため、今後もラインアップを増やしていく予定です。

海老天たまこ作

酉とさか連獅子土鈴

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連獅子は親獅子が訓練のため子獅子を谷へ突き落とすという比喩をテーマにしたもので白頭と赤頭の親子の獅子が激しくかっこよく舞います。

獅子の精が乗り移ったかのようにトサカを振って激しく舞う二羽のニワトリさん達、酉年の干支鈴として作ったので目出度そうな雰囲気です。

2016年10月 海老天たまこ作

狐忠信

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狐忠信(きつねただのぶ)は人形浄瑠璃や歌舞伎の「義経千本桜」の四段目の通称、また、その登場人物。自分の親の皮を張った鼓(初音の鼓)を 静御前が持っていると知った子狐が、佐藤忠信の姿となって静とともに旅をするというもの。のちに子狐は義経に、源九郎狐と名づけられる。

土鈴は佐藤忠信に化けた狐が正体を現す途中で下半身はまだ袴が残っているところとすっかり正体を現して全身が狐になったところの2種類があります。

2017年02月 海老天たまこ作

狐忠信にヒントを得た落語で「猫の忠信」があります。これも 落語土鈴として作られています。

二人道成寺土鈴

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歌舞伎舞踊の演目のひとつで女方舞踊の最高峰と言われるのが「京鹿子娘二人道成寺(きょうがのこににんむすめどうじょうじ)」です。 普通は略して「二人道成寺(ににんどうじょうじ)」と呼ばれます。

白拍子の花子(実は清姫の化身)が道成寺の鐘供養に訪れ、舞を次々に披露するうちに鐘に飛び込み、 蛇体となって現れるというストーリーです。

鐘の周りで白拍子が舞っている場面と蛇体となって現れた場面を二つの土鈴にしました。

2017年06月 海老天たまこ作

歌舞伎役者の大首絵土鈴

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歌舞伎の人気役者を大首絵風に作った土鈴もあります。

左上は尾上菊五郎(音羽屋)、右上は尾上梅幸(音羽屋)、左下は?片岡仁左衛門(松嶋屋)、右下は市村羽左衛門(橘屋)です。

 

落語土鈴 蛸芝居

蛸芝居

落語の中にも歌舞伎をパロディにしたものが色々あります。

「蛸芝居」もその一つです。

一家揃ってみんなが芝居好きの家に買われた蛸。「酢ダコで食べられてはたまらん!」と足を二本、すり鉢の下へグッと掛け、ボチボチ持ち上げ始めた。

それを見付けた主人に対して、すり鉢を持ち上げて目を大きく見開き、見得を切っているタコの姿が土鈴になりました。

2013年03月 海老天たまこ作

他にも「仮名手本忠臣蔵」のうち、四段目の、判官切腹の場を題材にした「蔵丁稚」も土鈴にしています。

ヘッダーやフッターに用いた縦縞は定式幕(じょうしきまく)をイメージしています。

定式幕とは多くは左から、黒・柿(かき)色・萌黄(もえぎ)色の縞(しま)が入った、歌舞伎の引き幕です。

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定式幕の描かれた土鈴です。

歌舞伎ではありませんが奈良市にある落語喫茶 古々粋亭(ココイキテイ)のオリジナル土鈴です。

大笑いして開いた口の中は古々粋亭の高座になっています。

定式幕の前で一席演じているのは古々粋亭のシンボルキャラクターの「古々粋亭 純鹿(じゅんろく)ちゃん」です。

2018年02月 海老天たまこ作

 

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