山本芳考さんの土鈴が残された型を用いて復元されました。

山本芳考(本名・良久、大正10年~昭和63年)。主に奈良県の社寺の授与鈴を幅広く作られており、 実物のイメージをリアルに再現したことで、今なお骨董市等で人気の作品が多くあります。

復元された作品を順にご紹介します。

岡寺(龍蓋寺) 玉龍鈴

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岡寺(龍蓋寺・りゅうがいじ)は飛鳥時代の名僧、義淵(ぎえん)が、早世した天武天皇の皇子、草壁皇子の宮を賜って寺としたのが始まりとされています。

龍蓋寺の寺名は本堂前の池に暴れる竜を封じ込め、梵字の「阿」を掘り込んだ大石で蓋をしたという伝説からきています。その龍を土鈴したものがこの土鈴です。

他に芳考さん作としては「天人せん鈴」もあります。(「せん」は土偏に専と書きます。)

岡寺では緑地の円形の鈴に金色の龍が描かれた龍鈴も授与されていましたが、こちらは九州の日田土鈴でした。

八咫鏡(やたのかがみ)

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八咫鏡とは三種の神器の一つで天照大神(あまてらすおおかみ)の霊代(みたましろ)として伊勢神宮にまつられています。

《日本書紀》では岩屋戸隠れのとき,石凝姥(いしこりどめ)命の作ったものとされます。

吉水神社 銅鐸鈴

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吉水神社は、もとは金峯山寺の格式高い僧坊でしたが、明治の神仏分離によって神社となりました。 源義経が弁慶らと身を隠したこと、後醍醐天皇の行宮であったこと、豊臣秀吉が花見の本陣とした等の歴史的逸話で知られています。

土鈴のモデルとなった銅鐸は豊臣秀吉が寄進したとされるものです。

他に芳考さん作としては「太鼓鈴」「神鈴」もあります。

大江山の鬼

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大江山(おおえやま)は京都府丹後半島の付け根に位置し与謝野町、福知山市、宮津市にまたがる連山です。

大江山には3つの鬼退治伝説が残されているそうですが、中でも有名なものは源頼光と頼光四天王が活躍したことで知られる、酒呑童子伝説です。

少し大きめの鬼首土鈴です。

談山神社 狛犬鈴 大小2種

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談山神社(たんざんじんじゃ)は、奈良県桜井市の多武峰(とうのみね)にある神社。祭神は中臣鎌足(談山大明神・談山権現)。

桜と紅葉の名所であり、国宝十三重の塔に映える景色は必見です。

談山神社には運慶作と伝える木造狛犬もありますが、この土鈴のモデルは神廟拝所にある石造狛犬かと思われます。

他に芳考さん作としては「十三重塔鈴」「雷神鈴」「蹴鞠鈴」「獅子頭鈴」もあります。

白毫寺 司録鈴

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白毫寺は奈良市白毫寺町にある真言律宗の寺。山号は高円(たかまど)山。霊亀元年(715)天智天皇の皇子志貴親王の山荘を寺としたと伝えます。

年2回行われる「えんまもうで」で知られる木造閻魔王坐像と閻魔王の眷属である木造司命半跏像・司録半跏像も珍しく、その司録さんの頭部を土鈴にしたものです。

芳考さんの土鈴は着色したものが少ないですが、この土鈴は着色したものの代表作だと思います。

他に芳考さん作としては「白毫鈴」もあります。

芳考さんの復元土鈴はまだまだありますので来月もご紹介します。

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