當麻曼荼羅完成1250年を記念して奈良国立博物館では『當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-』の特別展が開かれています。

二上山麓に所在する大和の古代寺院・當麻寺。その奥深い信仰の歴史と魅力を、極楽浄土を表した本尊・當麻曼荼羅を軸に描き出されていますが、ここでは土鈴を軸に紹介してみます。


蓮台土鈴

蓮台土鈴

  「当麻寺のおねり供養」と呼ばれる聖衆来迎練供養会式は毎年5月14日の午後に行われる有名な行事です。 本堂(曼陀羅堂)が西方浄土、仁王門の近くにある娑婆堂が現世に擬せられ、その間に長い橋が渡され、 極楽浄土から25人の菩薩が娑婆堂へと進み、中将姫を蓮台に乗せて浄土へと導く様が表現されます。その蓮台を土鈴にしたものです。


仁王土鈴

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仁王土鈴 阿吽両面

当麻寺東大門(仁王門)の仁王像、阿形/吽形を両面に表した土鈴です。


仁王土鈴 現授与品

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仁王土鈴 

新しいタイプです。大きさ比較のために蓮台土鈴とも並べてみました。
素焼きで阿形/吽形が両面になっています。



御朱印と観光スタンプ

御朱印観光スタンプ

御朱印と観光スタンプです。

御朱印には蓮糸大曼陀羅と書かれています。曼陀羅と書かれたり曼荼羅と書かれたり、どちらも正しいようです。


観光スタンプは大阪鉄道(現・近鉄)當麻寺駅、昭和11年11月のものです。東西の両塔が描かれています。


染寺 石光寺 多宝塔土鈴

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最後は当麻寺ではありませんが、同じく中将姫ゆかりの石光寺(せっこうじ)です。この季節はボタン・芍薬の花の寺としても知られていて、 境内には四千本以上、五百二十種類の色とりどりのボタンや芍薬が、花の浄土図を描いています。
また、土鈴に書かれている染寺[そめでら]という名前は、石光寺に中将姫が蓮糸を染めたといわれる染の井(染井戸)と、染めた糸を枝にかけて乾かしたという糸かけ桜があるための別名です。中将姫がこの井戸で蓮糸を洗い、桜の枝に掛けて干したら、その糸は乾いて5色になったと言われています。

現在、石光寺では「寒牡丹土鈴」も授与されているようです。


 


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