鈴散歩 栞第3号

 

鈴の情報

○斑鳩の里 奈良の町 川西誠治氏  (「鈴の情報」その1)

いかるがの聖徳会館に於いて救世観音と百済観音の二尊像の拝観を兼ねて中宮寺を訪れ、又、奈良の古い町屋の立ち並ぶ奈良町を散歩し、 元興寺、庚申堂を訪れ、その道すがら集めた鈴を報告。

・中宮寺瓦文様土鈴

中宮寺旧址の五重塔の基壇より出土した瓦を原型としたもので花弁が細長く九弁で、その間に珠文を配した筋目がくっきりとした極めて整い美しい丸型の図柄である。

 この花弁瓦は高麗系のものであり、数多い百済系と異なった珍しい姿のもの(作 大谷幸康氏)

 

・中宮寺天亀鈴

天寿国曼荼羅に画かれた図中の四つの亀甲形の背に書かれた四つの別々の文字であるがその一つ、唯佛是真(佛のみ唯是真なり)との四文字を亀の背に彫り陶鈴で赤茶色と緑の釉薬掛けで製作は大谷幸康氏と思われる。 寺伝による縁故を模したもので授与鈴として珍しい

 

・庚申土鈴

元興寺で授与されるもので庚申堂でも授与されるもので、庚申信仰による軒に釣るされた布製の丸い猿を模したもので赤色のものと黄色の二種がある(岡山妹尾民芸社作)

 

・つらつら椿土鈴

五色の椿をかたどったもので今も白毫寺の五色椿は有名であるが、万葉集に残る歌「河の上のつらつらつばきつらつらに見れど飽かず巨勢の広野は」五色の椿が連なっている鈴は、 今までの束ねた鈴は見てきたが連なっているのは見れども飽かぬ感に打たれる。

 

・椿土鈴

東大寺二月堂の修二会の時に用いる椿(糊こぼし)の造花を模したもので、特に花弁のところに鈴玉を入れた。黄色で着色、周りを赤と白で筒形の花形は美しい。

作は大和萬歳鹿苑窯で意匠登録中である。

 

・比翼土鈴

色彩が鮮やかな奈良一刀彫の雛を模したもので整った姿の鈴である。

(作 大谷幸康氏)

 

・絵馬土鈴

手向山八幡宮より授与されるもので戦前よりあり有名なもの復活されて出たもので(作 大谷幸康氏)、本来は絵馬の午をかたどった木製の授与品であったもので 民芸品として好事家に愛好されたものを土鈴に作られたものである。

 

・その他

古い奈良町を歩くと新装の民芸陶器店「瑜伽」がある。上記の鈴の他に万葉土鈴をはじめ作家土鈴が並べられている。

  奈良市中新屋町二六「瑜伽」 細田俊子氏 (当時)

   (編集部注)現在の「瑜伽」はこちらをご参考下さい。

・庚申堂とその信仰

奈良時代より伝えられる庚申信仰は神道・仏教との混交による諸神を祀り民間信仰として今も伝わり、 庚申猿は魔除けの守りとして各地でも庚申講が行われている。

 

 

 

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